・傘釘、フックボルトなどで波板を張ってみる。



波板って、どうやって張るの?

 

波板って簡易的な屋根としてガレージや家の軒・小屋などに良く使用されていますが、どうやって留めているのか知っていますか?

 

台風で、波板が飛ばされたとか、新しく2x4材を使用して小屋を作ってみようとかマスターしていれば、取り換えも、まっさらから作るのにも色々使えそうじゃないですか。

 

今回は、波板の基礎知識的な部分のお話をさせていただきます。

 

波板の基本的サイズから知ってみよう。

まずは、波板の種類からご紹介します。

波板には、波の数(波の大きさ)によって色々な種類があります。

一応4種類の紹介をしておきますがDIYで良く使われるのは32波の鉄板小波が一般的かと思います。

 

鉄板小波 重ね代2.5山

スレート小波 重ね代1.5山


鉄板大波 重ね代1.5山

スレート大波 重ね代1.5山



続きまして、長さです。

幅に関しては上の図のように、波の大きさで決まっていますが、長さは色々あります。

代表的な、鉄板小波であれば、下のような感じです。

張り付ける波板のサイズの決め方

波板の規格が何となく分かったら、実際に張りこむ場所を計測して波板のサイズを決めていきます。

ほとんどのカーポートやテラスなどは鉄板小波ですので、これを基準に算出していきます。

 

例えば、“横幅4m×奥行3mの面積部分に波板を張りたい!”となった場合とします。

 

【横幅】=4mに必要な枚数は?

波板は、合わせ目を重ねて取付けないと雨が漏ってしまいます。

鉄板小波の場合、2.5山以上は重ねましょうというのが決まりになっています。

イメージでいうとこんな感じです。

波板の重ね代

重ね代である2.5山は、約80mmなので、鉄板小波の幅655mmから80mmを引くと有効幅は575mmとなります。この有効幅を基準に計算していきます。

ですので、4mの幅に貼りたいのであれば、

 

4m=4000mm 波板の幅と単位を合わせます。

(4000-80)÷575=6.82枚となります。いい感じで7枚ですね。

少し重ね代を調整すれば、いけそうです。

 

でもちょっと待ってください。計算式が気になりませんか?

小学生の時に括弧の中は、先に計算しますって習いましたので、4000-80は先に計算します。

それは分かってますが、このマイナス80ってなんでしょう?

 

 

全部の波板のサイズは有効幅の575mmとして計算してしまっていますが、1番最後の1枚だけは更に次の1枚がないので、上から重ねられる事がありません。なので、ここは655mmが有効幅になります。そのためあらかじめ、この部分の80mmを引いているのです。

これで、幅が決定です。次は奥行です。

 

【奥行】=3mに必要な枚数は?

これは、簡単10尺=3,030mmというのがあります。これが良いですね。

今回の想定では、ちょうど良いものがありましたが、カットする場合は波板ハサミがあると便利です。

 

まとめると、

横幅4m×奥行3mの面積部分に波板を張りたい!場合は、

10尺の波板が7枚必要という事になります。

 

波板の材質による使い分け

ここまでで、波板のサイズが決まりました。

では、早速買いに行きましょう!

 

お店に行くと、サイズ以外にも材質や色で、また色々とあります。

色は好みで選んでください。そして材質・・・これは用途によって分かれてきます。何に使うか、何年位もたせたいかで変わってきます。下記の表を参考にしてください。


◆樹脂系材質の波板

塩ビ波板

価 格:安い

耐久性:低い

加工性:良好

耐 用:1~3年 短い!

用 途:簡易的な小屋

 

特 長:安いのが取り柄。耐久性が低いので長く使うものには不向きです。

ガラスネット入り塩ビ

価 格:ほんのちょっと高い

耐久性:強め

加工性:ノコギリ・波板ハサミ

耐 用:4・5年

用 途:バルコニー目隠し等

 

特 長:塩ビにガラス繊維を入れて補強してあるので強い。でもポリカの方が良いかも。

ポリカーボネート

価 格:ちょっとだけ高い

耐久性:強め

加工性:ノコギリ・波板ハサミ

耐 用:10年程度

用 途:カーポート等

 

特 長:衝撃に強い。製外線に強い、通し難い。ただ植物の生育に影響が出ます。



◆金属系材質の波板

カラートタン

価 格:ポリカと同じ位

耐久性:強い・硬い

加工性:良くない。

対応する波板ハサミとか

電動ノコギリ

耐 用:15~20年

地域にもよります。

用 途:住宅屋根・外壁

 

特 長:昔からの定番。金属なので強いが風雨にさらされてサビが発生する。

ガルバリウム鋼板

価 格:結構高い

耐久性:強い・硬い

加工性:良くない。

対応する波板ハサミとか

電動ノコギリ

耐 用:15~20年

地域にもよります。

用 途:住宅屋根・外壁

 

特 長:優秀なメッキがかかっていて耐久性も耐熱性も高い。ただ値段も高い。


取付けるネジ・釘類

波板を取付けるためのネジ・釘類(留め具)は、取り付ける場所によって異なります。

木の柱(母屋)に取り付けるのか、鉄地に取り付けるのかによっても違いますし、同じ鉄の柱でも、それが角パイプなのか、アングルなのか、C型チャンネルなのかによっても違ってきます。 

 

代表的なものをご紹介します。用途によって分けていますので重複するものもあります。

傘釘は、基本的に波板の材質と同じものを選ぶの良いと思います。耐用年数も同じ感じですし。

ステンレスは万能ですが、塩ビの波板には良いもの過ぎます。そんな事を考えながら選んでください。

 

木材に取り付ける。

ポリ連結傘釘

白・青・茶など

ステン連結傘釘

シルバー・茶

ポリカ連結傘釘

透明・茶

 

捩り傘釘

銀・青・茶・灰

ポリカ波締め

木下地用



アングルに取り付ける。

セットフック

プラフック

白・茶

ステンレス

ワンタッチフック

ポリカ波締め

鉄地用



チャンネル・角パイプ・丸パイプなどに取り付ける。

【角パイプ】

チャンネルフック

【Cチャンネル】

チャンネルフック

【H型鋼】

チャンネルフック

【丸パイプ】

パイプフック

ポリカ波締め

鉄地用



↓波板関係の部材は、『ねじナビ。』でも販売中です。少量でも購入ができます。↓

ちょっとだけ補足:

セットフック・チャンネルフック・パイプフックの長さってどこ?

留め具類のサイズ表記は、下記のようなものになっています。

 

例えば、

セットフック 3/16×38

チャンネルフック 1/4×30×90

パイプフック 1/4×34×64 とか。

 

これ、どこをさすサイズなのでしょうか?

サイズ表記の1番最初の3/16とか1/4というのはネジ径の事となります。

見慣れない数字かもしれませんが、インチネジの表記です。

ミリに換算すると、3/16が約4.76mm 1/4が約6.35mmとなります。

 

その他の数字は以下の写真の通りとなります。 

セットフックは、

ネジ径×L

チャンネルフックは、

ネジ径×W×L

パイプフックは、

ネジ径×W×L


サイズ表記が分かっていれば、それだけで設計が楽になります。

ちなみに、各波板の波の大きさは下記のようなサイズなので、波の大きさも考慮して留め具の長さを決めてください。

鉄板小波

スレート小波・鉄板大波

スレート大波


取付けるネジ・釘類の本数

波板の留め具は、5山おきに取付けるのが基本です。

ですので、鉄板小波の場合、幅655mmで20.5山なので幅方向には20.5÷5=約4本必要となります。これに、柱の本数を掛けたものが1枚当たりの必要本数となります。

 

必要本数はあくまで参考なので、実際に取り付けを行う場合は、重ね代も考慮して取付を行う場所の面積で計算する+重ね代の部分は必ず留め具が必要なので、これを加味して割り出すのが良いかと思います。

留め具は、波板の山部分にとめるようにしてください。

留め具を留める時は、波板に下穴をあけてから、行ってください。

ちなみに山部分に穴をあけるのは、ドリルの刃先がすべってしまい、慣れないと難しいです。

そんな時は、こんなものがあると便利です。

波板専用のキリです。先端が波を抑え込む形状になっているので、山の真ん中に電動工具なしで穴をあけることができます。

 


その他の注意点として、

 

軒先は、特に風の影響を受けやすいです。留め具の数を増やして3~4山おきに留めてください。

軒先の出幅は、100mm以下。強風が心配な地域は50mm以下にしてください。

 

思いつく注意点は、そんなところでしょうか。

 

もともと、屋根の骨組み(母屋)ができていれば、部材算出がめんどくさいくらいで意外と簡単にできます。ですので、波板の取り換えであれば、敷居が低い部類でしょう。

1からガレージを作るぞ!という方は、長い道のりかもしれませんが頑張ってみてください。

 

長い記事でしたが、最後までお読みいただいて有難うございました。

この記事の知識が少しでもお役にたてればと思います。

 

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