電動工具のハイパワー化で、コーススレッドなど今まで定番で使われていたビスが打ち込み時に折れてしまうといった問題がチラホラと発生しています。
コーススレッドは、焼き入れをされて比較的硬く設定されたビスなのですが、それでも折れてしまうようです。この問題に対応して、もっと強くしたのが、ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドです。
ビスで使用される鉄(鋼)ですが、一概に鉄(鋼)と言っても、その中には色々な成分が含まれています。たとえば炭素やシリコンやマンガンなど。この成分の配合比率によって、ビスに使用される鋼線材の素質が変わってきます。この中で、焼き入れ時に主に硬度に対して作用するのが炭素です。
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドは、線材の種類のうちSWCH22Aという材質を使用して適正な硬度になるように焼き入れをされています。普通、コーススレッドに使用される線材は、SWCH18Aという材質ですが、これよりも炭素含有量の多い種類です。そのため硬く強く仕上がっています。
谷径といっても、ねじ業界の人しか分からない用語だと思うので絵で説明します。
谷径とは、こんなイメージです。よくネジ山という言葉は聞くと思うのですが、山があれば谷がある。その関係性です。外径をそのままに谷径を太くすると山の高さは低くなりますが、その分、ネジの軸部分の太さが太くなり通常のビスよりも強くなります。
下の写真は、普通のコーススレッド(上)とハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッド(下)を比較のために並べたものです。どちらも長さ90mmのものですが、谷径の太さの違いが写真でも分かると思います。
重量も比較してみました。谷径が太くなれば、しっかりとした太さの分重量も増加します。
ビスを強くしたいなら、単純に太くすれば強くなります。ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドの90mmの長さのものは外径4.8。これは普通のコーススレッドの呼び外径と同じです。これを5.5とか6.0とかにしていけば、おのずと強くなるのは当たり前のことです。ただ、外径を太くしていくことで使い勝手が悪くなったり、トルクが増大して打ちにくくなったり、普通のコーススレッドからの置き換えには不向きな場合が多くあります。
そのため、ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドは、外径はそのままに谷径を太くすることでビス自体の強さを出すという手法にたどり着きました。
さらに、谷径が太くなった分のトルク増大を緩和するために、ビス表面の滑りを良くするビス用のWAXを塗布しています。
(画像は旧製品のものを使用しております。)
使いきりにちょうどいい量のジャストパック
大がかりなDIYからプロ用途まで対応の小箱
太さ×長さ |
ねじタイプ |
ジャスパ 品番 |
ジャスパ 入数 |
小箱品番 |
小箱 入数 |
3.8×25 |
全ねじ |
544-331 | 210本 | 55-561 | 650本 |
3.8×32 |
全ねじ |
544-332 | 190本 | 55-562 | 580本 |
3.8×38 |
全ねじ |
544-333 | 160本 | 55-563 | 480本 |
3.8×41 |
全ねじ | 544-334 | 140本 | 55-564 | 430本 |
3.8×45 |
全ねじ | 355-335 | 120本 | 55-565 | 410本 |
3.8×51 |
半ねじ | 544-336 | 110本 | 55-566 | 380本 |
4.2×65 |
半ねじ | 544-337 | 75本 | 55-567 | 250本 |
4.2×75 |
半ねじ | 544-338 | 60本 | 55-568 | 210本 |
4.8×90 |
半ねじ | 544-339 | 40本 | 55-569 | 120本 |
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドは通常のコーススレッドに比べ捩じり破断トルクを大幅に向上させたものですがウッドデッキなどの硬質木材に対しては、ネジ切れを起こす場合があります。無理なネジ込みは避け、下穴をあけてから施工してください。
作業時は、安全保護のため保護メガネや保護防具を使用して充分安全に留意して施工してください。
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドと同じような品名の商品があります。混同する可能性がございます。
ハイパワーインパクトドライバー対応コーススレッドの頭部にはPowerの頭文字をとってPWという刻印がされています。良くご確認の上、ご購入ください。
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