間違った使い方するとボルトの頭が丸くなっちゃう
六角のボルトやナットを締める時に一番最初にスパナを思い浮かべる人も多いかと思います。薄くて携帯にも便利で車載工具なんかにもなってたりしますので、なじみの工具かもしれません。
回すネジは大体、下の写真のようなものだと思います。頭が六角になっていて、平らな部分をレンチで掴んで回す。
でも、レンチはこのネジを回すのに最適な工具なのでしょうか?
上の写真のようなネジを回す時に使用するスパナ。
スパナは六角の対辺の平らな部分を固定してネジに力を伝達しているように見えますが、実際に回す力を加えた時、最も力がかかるのは六角の角の部分なんです。
そのため、スパナで過度な力を加えたり、サイズが少しでもあっていなかったり、奥まで挿し込まずに使用すると角の部分が削れて丸まってしまいます。
こうなると、ネジに回転トルクを加える事ができなくなります。
スパナの間違った使い方
ご注意ください。下記のような使い方。
間違い① しっかりと挿し込まずに回す。
かなりの確率でグリっといきます。トルクもかけれません。
間違い② サイズが違うスパナを使う。
ワンサイズ下くらいのスパナであれば、回るかも。
もちろん、最後の締め込みはできないし、これも確実にグリっといきます。
間違い③ スパナをハンマー等で叩く。
想像以上の力がスパナにかかります。もちろん衝撃でボルトにも過度の力がかかります。
錆びついたボルトを緩めるために、やってしまう事がありますが、できる限りやめましょう。
間違い④斜めにスパナを掛けてしまう。
斜めにかける事で、力が伝達しなくなるだけでなく、しっかりとエッジを掴むことができないのでボルト・ナットを痛めます。
この他に
- スパナでモノやヒトを叩かない。
- スパナをパイプなどで延長して回さない。
など、ダメな事もありますが、一般的な常識範疇です。
ボルトやナットをいためると、取り外しに時間がかかり作業自体にも影響してしまいます。
工具・ネジともにいたわって作業をしてください。
ちょっとだけ便利なスパナの使い方
スパナは、約15°傾きがあります。
そのため、狭い箇所では下記のような使い方ができます。
① せまい箇所に締めたいボルトがある。
↓
② スパナを嵌めて、壁ギリギリまでスパナを回す。
↓
③ 裏返すと傾きも逆になるので、その状態でボルトを嵌めて壁ギリギリまでスパナを回す。
↓
④ ②~③の繰り返し
↓
⑤ ボルトが締まる!!!
ボルトを回すなら、本当はこっちを使って欲しい
ここまで書きましたが、実は・・・
ボルトやナットを回すならスパナは使って欲しくありません。
なぜか?
それは、上にも書きました通り、スパナは2つの角しかとらえてません。
そのため、グリっといく確立が高いのです。
では何でスパナがあるの?
スパナを使用しなければならない箇所があるからです。
例えば、ネジの上に長い何かがつながっていたり、上から工具が入らないとこなどです。
車やバイクでは、こんな箇所が多いし、車載工具は種類が色々積めないのでスパナを搭載している場合が多いのです。
なら本当はどんな工具が良いの?
できればボルトの周囲を囲める工具が良いです。
たとえば、下のようなソケットレンチ。
六角の周囲を囲めるので、六角に対する接点が増えてグリっといく確立が激減します。
また、伝わるトルクも高くなるので固着してしまったボルトを外すには確実にこっちです。
ボルト自体への傷も少なくて済むかと思います。
鉄のメッキボルトは傷がつくと、そこから錆びますので、あらゆる意味でソケットレンチの方が良いかと思います。
こんな風に書くと、スパナが悪いように感じますが、
一応、個人的な意見も含めてまとめてみました。
まとめ
ボルトを真剣に回すのであれば、六角の周囲を囲める工具が必要です。スパナセットしか持っていない場合は、ソケットレンチも持っておいた方がいいかと思います。
ホームセンターで、廉価品であればセットでも1980円とかで売っていたりします。
スパナは、ソケットが使用できない箇所や、バイク等の携帯工具として必要です。
しっかりと正しい使い方をすれば、そこまでグリっといく事もないかと思います。
実際自分もソケットレンチとスパナを使い分けていない場合が多く、近くにあるもので回してしまっていたりしますので。
で、結論ですが、工具はそろっているにこした事はないという事です。
大雑把・適当な感じですが、廉価版であれば工具の中でそれほど高価なものでは無い気がします。作業の中でボルトを締める・外すは大変多い行為です。
楽に失敗なくできる。これが一番だと思います。
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