・木が痩せる(木痩せ)ってどういうこと?

ホームセンターや材木店で購入してきた木材でも、実は段々と痩せていく事があるのは知っていますでしょうか?意外と知られていない木材の痩せに関して書いてみたいと思います。



もともと木痩せって何なの?

木材は、もとをたどれば森に生えている樹木です。樹木は太陽の下、水を吸って生きています。ですので伐採されて木材になったとしても大量の水分が残っています。伐採されれば根から水分を吸収することがなくなるので段々と乾燥していきます。水分が抜けると干物の魚や最終的にはスルメのように痩せていきます。

これが、基本的な木痩せのイメージです。ですので年数が経つと乾燥しきって痩せきります。

 

場合によっては、木材が使用される場所が湿度の高い環境であったりすると、表面から水分を吸って太ったりしますのでリバウンドもありえますが。

 

いつまで痩せ続けるの?

建築に使用する木材は、組立精度をださなければなりませんので乾燥をしっかりとしたものを使用します。建築用木材の基準では、20%以下の含水率に定められています。もし生木で乾燥させていないものを使用すれば痩せて家がグラグラになってしまいますから。

 

ただ、20%以下の含水率であっても20%は水分が残っているということです。

もちろん、この時点からも、さらに乾燥は続きます。そのため建築用木材を使用しても建築完了後に痩せは続くのです。10%くらいの含水率になるまでは木材の変形・痩せはおきやすくなります。

 

※.大体、建築後1年で10%くらいまで含水率は落ちるそうです。

※.長さ方向には伸縮は起きにくいです。

 

木が痩せるとどんな影響がでるの?

 

木材が痩せてくると、

目に見える部分としては、壁や床などで使用している場合継ぎ目にスキマがあいてきたり反ってきたりします。つまり美観の問題が発生します。

 

目に見えないところでは、さらに大きな問題が発生します。

それは建築の柱や梁などでネジの緩みがおこることです。

例えば、ボルトを使用している場合、ボルトはナットとの間で締結物をしっかりとはさみ込むことでネジとしての締結力を発生しています。

木が痩せると、しっかりとはさみ込んでいたものが緩くなってしまいます。

そのため、ネジに緩みが発生してしまうのです。

固くしまっているボルトをレンチなどで軽く緩めると、あとは指でナットを回せたりしますよね。イメージ的には、あの状態になってしまうのです。

 

対策としては、木痩せに対応したナットを使用するとか、建築完了後に期間をおいて増し締めするなど何らかの対応をしなければなりません。

 

2x材は痩せてできた規格

2x4材ってDIYでは良く使いますね。

これはもともと、2x4建築用の木材規格のことなんです。

2x4は2インチ×4インチという意味なのですが、これって変な感じしませんか?

 

インチになじみがないのでミリに換算すると・・・1インチは約25.4mmだから、

2インチ=約50.8mm 4インチ=約101.6mm

でも実際の2x4材の規格は、38mm×89mmなんです。不思議です。わかりにくいです。

 

実はこれも木材の痩せに起因する規格なのです。

もともとは2×4インチなのですが、これが乾燥するので痩せを考慮して38mm×89mmに落ち着いているのです。こう見ると痩せって結構激しいですよね。

 

ホームセンターなどで販売している2×4材は、強制乾燥したものなので水分量はかなり減っています。

2×4材の基準で言えば含水率19%以下でコントロールされているはずです。

ですので、みなさんが組みたてたあとの痩せは、気にするほどでもないかと思います。

 

2×4材の規格に関しては、【2x材って何?2x4?1x4?SPFサイズ規格寸法】を見てください。

 

KD材とグリーン材

建築に使用される木材は、基本的に強制乾燥により最低25%以下の含水率となっています。

乾燥させないと強度が低く、使用後に痩せもおきて使いものにならないからです。

この乾燥させたものをKD材Kiln Dried材)といいます。

 

KD材の中でも、含水率25%以下のものをD25。含水率20%以下のものをD20。含水率15%以下のものをD15と分けます。

 

これに対して、未乾燥なもの、含水率が25%よりも高いものをグリーン材といいます。

リアルな未乾燥材は、ビスを打つだけで水分が浮き上がってきたりします。

もしグリーン材を使用する場合は乾燥させてから使用した方がよいです。何日か干しただけでも大分違います。

 

まとめ

強制乾燥させていても木材は痩せていきます。ですが、使用する際にどの程度乾燥しているかで痩せの度合いは大きく変わってきます。精度の高いものを作りたいときは乾燥の程度も確認してみてもいいかもしれません。

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