・DIYに使う木材 -ホームセンターで買える木材を調査-

現在、色々な雑誌でも取り上げられている「DIY」。自分も作りたい!!けれどそもそもどんな木材を選べば良いのか・・・という事でホームセンターにどんな木材があってどんな特徴があるのかをご紹介します。あっ、店の規模などによって置いてないものもあるのでご注意を!



木材の種類と用途が大事な理由

 なぜ用途別に木材の種類を使い分けたほうがいいのでしょうか?

木材の性質を知らずに加工を始めてしまうと、出来栄えに大きく影響します。見た目はもちろんのこと、塗装のノリが悪いとか組み立ての釘やビス打ち作業で木材が割れてしまったり、用途に適さない木材を使って完成させた作品は、時間が経つにつれて木材が反ってしまう事もあります。

 

それぞれの木材の種類を把握しておく事はDIYの必須条件と言えます。

ホームセンターなどで売られている木材の種類を大まかに見ていきます。

店で売られている木材は加工状態によって大きく3種類に分けられます。

 

・無垢材

原木から切り出されたままの状態の木材です。木材の本来の姿です。

何も手を加えていないので本来の木目や肌触りが生きています。乾燥や湿度の変化に影響されやすく反りがでることもあります。

・集成材

小さい木材を接着剤などで貼り合わせて作られた人工の木材です。

反り方向などをうまく組み合わせているので、無垢材などと違い反りが起きにくく強度が安定していて扱いやすいのが特徴です。写真の右側の少しギザギザしている部分がツギハギ箇所です。

・合板

薄い板材(ベニヤ板)を奇数枚貼り合わせた木材です。そのため、断面には積層された模様が見えます。

合板は強度が高く厚さや大きさの種類も豊富です。また値段も安価なので手に入れやすい木材です。

大きな板材を安価に使用する場合などには便利です。詳しくは、【ベニヤ・合板・コンパネって何が違うの?】をご覧ください。

集成材、合板などは人の手が加えられた加工材に分類されます。

加工材はその他にも、薄くスライスした無垢材をベニヤに貼り付けたものを突板。印刷したプリント紙などを貼り付けたものを化粧合板といい、お店によってはプリント紙の場合は「プリント化粧合板」と表記されているものもあります。突板は表面が無垢材のため、芯材に貼り付けられ板になっている場合は、普通の無垢の木材と見た目は変わりません。ただ、切断すると切断面は、芯材が見えてしまいます。

木の種類 -無垢材・集成材・合板-

 上の項では、木材の加工状態で分類しましたが、ここからは木の種類(樹種)をご紹介します。

本当は色々な種類がありますが、今回はホームセンターで一般的に売っている樹種を中心にご紹介。 

注意点としてホームセンターでも店舗規模によって置いてあるものと無いものがありますので、入手レア度を★で表現しました。参考にしてみてください。

 

レア度★  ・・・小さな店舗でも売っている事が多い。メジャークラスの木材。

レア度★★ ・・・中規模店舗以上で売っている可能性が高い。

レア度★★★・・・郊外型の大型店で販売している?かも。企業ごとでラインナップの方針が異なるので運次第。

 

【無垢材の一般的な種類】

・SPF/ホワイトウッド レア度★

SPFはスプルーフ(エゾ松)、パイン(松)、ファー(もみ)の頭文字をとったものでこれら3種が混在した木材です。ホームセンターで木材といえばこれ!!というほど定番でサイズのバリエーションもかなり豊富です。2×4材はこの種類にあたります。とても柔らかい為ノコギリでも簡単にカットできビス打ちも基本的に下穴が不要です。割れる場合もありますが・・・。

・サーモウッド レア度★★ 

サーモウッドは上で紹介したSPF材を高熱乾燥処理することで、防水・防虫・防腐効果を高め耐久性を向上させた木材です。簡単に言うと燻製にした感じです。匂いはまさに燻製の匂いがします。耐久性が高いにも関わらず、加工のしやすさはSPF材と大差ありません。色は濃い目の茶色で塗装しなくても良い感じです。

・檜(ヒノキ)レア度★★

皆さんご存知、ヒノキ風呂で使用されるヒノキです。築1300年の法隆寺の建築材料としても使用されており、防虫・殺菌・耐久性に優れており香りや肌触りがよく家のフローリングやすのこ等、人の肌に触れる箇所によく使われます。機能が優れている分、SPF材と比較すると価格は2倍程度します。

・スギ レア度★

花粉症を悩ますあのスギです。あれだけ花粉をまき散らすわけですから、流通量が多いです。そのためかなり安価に手に入ります。日本の建築に使用されているので、それ相応の強度はありますが、硬度は低いので爪で簡単にキズがつきます。テーブル天板に使用するには向きませんが、キズを風合いとする場合には、最適な材質です。赤みがかった色目と木目も魅力な木材です。柔らかく軽いので切断もヤスリがけも比較的簡単です。SPF材に飽きた人の次のステップには良い材料かと思います。表面加工がされていない杉は杭など少し使って捨てられる事もありますし、足場の板などにも使用されます。

・焼き杉(杉板を焼いたもの)レア度★★★  

木の種類ではないですが、ホームセンターに売っていたのでついでにご紹介。杉材の表面を焼いたものです。本来の目的としては表面を炭化させて耐久性を上げるというものですがホームセンターで販売されているものは見た目重視の焼き方のような気がします。自分でも杉材をバーナーで焼いてタワシで磨けばできちゃいます。

・栂(つが)材  レア度★★

松科の木材です。角材がほとんどかと思います。針葉樹なのに成長が遅く、そのため木目の間隔がせまくキレイです。結構硬く重めです。価格も高め。手でヤスリをかけるのは苦労するかと・・・。ビスをそのまま打ち込むと割れる事が多いです。

・米松 レア度★ 

その名の通り、北米を中心とした地域に広く分布する、輸入材。角材が多く、家の梁としても使用されるので一定の強度があります。表面はガサガサです。芯と外では色差が大きく売っているものも様々な色と木目があります。表面にヤニが浮き出してくる事があるので、見えるところには向かないかもしれません。

・赤松 レア度★★ 

針葉樹にしては重みがある、密度高めの木材です。建築材に使用される場合が多く、表面は栂同様にガサガサした感じです。DIYに使用する場合、やっかいなのはヤニが出てくる事です。これにより土と接する部分などで腐りにくいという性質もあります。

・タモ レア度★★★ 

木目が美しく、加工もしやすいのに硬く、本格的な家具に使用される木材。反発力もあるので野球のバットとかに使用されたりもします。DIYには、他の材と比較して価格が高いのでちょっと躊躇する部分はありますが、ここぞ!という見える部分に使用すると完成度が高まります。

・ウェスタンレッドシダー(米杉) レア度★★★

デッキ材・建材などに使用される、腐朽、防虫に強く、屋外使用での使用にも耐える木材です。ヒノキ科の針葉樹のため、くさりにくいのに、軽量で比較的柔らかく加工しやすい性質をもっています。そのためDIYの使用にも向いていますが、値段はお高めです。木目は赤みがかっていて、杉に近いことから米杉とも呼ばれたこともありました。

・セランガンバツ レア度★★

こちらもデッキ材に使用されることの多い木材です。ウェスタンレッドシダーもデッキに使用されますが、こちらは広葉樹のハードウッドで、密度も高く重いです。DIYでは加工性が良くないうえに、コスト高のため倦厭されがちですがショッピングモールなどのデッキにも使用される本格的木材です。ホームセンター内では高価に感じますが、他のハードウッドであるイペ・ウリンなどと比較すると価格は安いです。木目は黄褐色で繊維のような印象です。

【集成材の一般的な種類】

・パイン集成材 レア度★

原材料は松です。集成材といえばこれ!といえるほど一般的です。比較的柔らかく加工もしやすいです。

明るめの色目で、塗装も良くのります。板材がほとんどで板厚・サイズバリエーションも多いです。箱ものを作る時や棚板として使う時に最適です。 

・アカシア集成材 レア度★★

高級木材であるウォールナット材の代用として注目されています。 

色は黄褐色で、木の場所によって色が変わるので集成材にすると美しいモザイク柄が現れます。大きめのホームセンターであれば置いてあると思います。

・檜(ヒノキ)集成材 レア度★★

無垢材で紹介したヒノキを接着剤でつなぎ合わせたものです。パイン材よりもつなぎ目が目立ちません。 

特徴は同様です。耐久性や耐水性に優れておりパイン集成材と並び万能な木材です。

・ファルカタ集成材 レア度★ 

ファルカタはマメ科植物で木というより草に近い材質のものです。成長が早く5年ほどで製材が可能なため安く販売されています。とにかく軽いというのが特徴ですが、柔らかく強度は低いです。加工しやすいのでDIYでは小物を作るのに適しています。大がかりなラックや、長年使用するものには適しません。

【合板の一般的な種類】

・ラワン合板 レア度★

ラワンとはフタバガキ科の広葉樹の総称です。 

このラワンのベニヤ(単層)を貼り合わせたものがラワン合板です。はっきりとした木目は無く、表面がややザラザラしていて素手で触るとトゲが刺さったりします。広葉樹なのである程度の硬度もあり使いやすい木材でもあります。色目は茶赤系ですが製造ロットにより結構な感じで異なります。売っているものは穴などを補修した跡があったりします。 

・シナ合板 レア度★

表裏にシナ単板を貼り付けた合板。芯材はラワン材となります。シナ(シナノキ)は、日本でも各地にみられる落葉性の高木樹です。木質は軽く、均一な繊維で柔らかく加工しやすい木材です。ラワン合板と比較して表面がキレイなので少しヤスリをかけるだけでスルスルになります。色目は白っぽいです。DIYにも適した材かと思います。

・檜合板 レア度★★★ 

檜(ひのき)合板は、知名度の高い檜を貼り合わせた合板です。芯材まで檜のものもあれば、芯材は杉であったりするものもあります。良く確認をして購入してください。どちらにせよ、木目は美しいのですが芯材が何かによって耐久性も変わってきます。

・針葉樹合板 レア度★ 

成長の早い針葉樹(主にカラマツ)を貼り合わせた合板です。成長の早い木材は木質が柔らかく軽量で加工しやすいのが特徴ですが構造用合板として建築の床や壁なでに使用されていますのでせん断・引っ張り・耐衝撃性に優れている側面ももちます。木目はハッキリとしていて、着色をしなければ経年でアメ色に変わってきます。独特な模様はラーチと言われ、好んで使用する人もいます。お店によって表面の粗さにバラツキがありますので何店舗か回って好みを選らぶのが良いかと思います。

・OSB合板 レア度★ 

OSB合板とは「Oriented Strand Bord」の略称で、アメリカなどの建築方法である2×4建築の壁などに使用される合板です。他の合板とは違い単板を積層するのではなく、チップを互い違いに重ねて積層したものです。そのため独特な模様がありインテリア材としても使用されています。片面に、いかにも海外っぽい文字の印刷がされているのもアメリカンな雰囲気を出しているのかもしれません。基本的に片面はツルッとしてますが片面はザラザラしています。

・ランバーコア レア度★★

ランバーコアとは樹種ではなく、積層の仕方の話なのですが一応。 

通常の合板であれば単板を貼り合わせていくのですが、ランバーコアはイメージ的には角材を並べていき貼り合わせた表面に単板を貼り付けて1枚の合板に仕上げたものです。中の角材の材質は、ファルカタ材や針葉樹。表面は仕上げ材で比較的きれいなシナや檜などの他、樹脂板の場合もあります。木材を無駄なく使用して表面はきれいに使用したいという目的が作られています。キッチンやテーブル天板などに使用される事が多いです。集成材のような構成なので歪みも少ないのが特徴です。

針葉樹と広葉樹の違いと特徴

 普段は特に気にした事がないかもしれませんが、木材を扱う上では針葉樹と広葉樹の違いはかなり重要なんです。理由は木の性質が全然違うからです。反対に広葉樹は成長が遅いので密度が高く重くなります。

【針葉樹】

針葉樹は成長が早いので密度が低く軽くなる傾向にあります。針葉樹は簡単にいうと爪で押すとへこむ位柔らかいです。それゆえに「ソフトウッド」と呼ばれています。

DIYの材料としては以下の4点が特徴として挙げられます。

  1. 加工がしやすい
  2. 成長が早い=伐採までの期間が短い=価格が安い傾向。
  3. 水分を含みやすく腐りやすい&シロアリに弱い
  4. ステインなどの塗料の浸透性が高い。水性のステインでも良く色がのる!

 

針葉樹はビス打ちも下穴も開けずにできます。ビスにより割れる事はありますが。

 

【広葉樹】

反対に広葉樹は成長が遅いので密度が高く重くなります。広葉樹はその逆で堅くて重いです。

それゆえに「ハードウッド」と呼ばれています。

DIYの材料としては以下の4点が特徴として挙げられます。

  1. 堅く重いため加工しづらい
  2. 成長が遅い=伐採までに時間がかかる=価格が高い傾向に。
  3. 保水性が低く、耐候性に優れ、シロアリに強い
  4. ステインなどの塗料が浸透しにくい。WAXがいいかも。

すべての広葉樹がこの特徴を持つわけではありませんが・・・(桐は広葉樹ですが軽く柔らかいです)

DIYで使われる広葉樹の木材は種類が多いです。

 

また高級家具などに使われる木材はだいたい広葉樹です。

 

まとめ

 今まではホームセンターの木材売場に行くと、適当な大きさの木材を何気なく選んでしまっていたかもしれません。私自身は、この木安いしいいか?と買った事もあります。

しかし木材にも種類ごとに用途の適材適所があります。DIYで作る作品はどんなものか、屋内・屋外どちらに置くのか、耐久性・耐水性・耐荷量などのポイントをおさえながら、是非目的にあった木材で作ってみて欲しいと思います。木を知る事は私も勉強になりました。

written by Hiro

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