ダボ継ぎでネジを見せずに家具を作る



私、ねじ屋です。

でも、ねじを見せずに接合したい時もあります。

それもしっかりと、頑丈に。接着剤オンリーとか、そんな手抜きも嫌なのです。

ネジの頭を隠すとか、そんな事ではなく、ねじを使わずに家具屋の家具っぽく作りたいのです。

 

そんなこんなで、たどり着いたのがダボ継ぎです。ビスケットを使うとか、そんな方法もありますが、専用工具は高いので除外です。

 

ではでは、長い間避けてきた、ダボ継ぎにチャレンジしてみたいと思います。

ダボ継ぎのやり方・手順

万全を期して用意した工具と治具はコチラ。

ねじ屋だけにダボ継ぎに関しては知見がありません。

ネットで、調べて、自分なりにも考えて、こんなモノたちを用意してみました。

ダボ継ぎに使用する工具
  1. さしがね(曲尺)
  2. ダボ(8mm径)
  3. 六角レンチ → 使わなかった
  4. ドリルガイド
  5. ドリル
  6. ドリルストッパー → 使えなかった
  7. ダボマーカー

では、さっそく作業開始します。

まず、ダボ継ぎする部分にマーキングします。

今回使用するのは、18mm厚のパイン集成材。そのため、下のイメージのように木口側から9mmの部分に線を引きます。線を引くのは木口や木端ではなく、板表面の方がやりやすいです。(と思います。)

ダボ継ぎのマーキング位置
ダボ継ぎのメーキング位置_2

線を引いたら、ダボを打つ部分にチョンチョンチョンとマーキングしていきます。今回は、幅300mmの板なので、ちょっと少ないかもですが、ダボ3本で継いでいきます。

ダボ継ぎのマーキング位置_3

ダボを打つ場所が決まったら、ドリルガイドキットに付属しているセンターポンチで、ポンチを打っておきます。マーキングした部分に先端をあてがい、釘のように軽くハンマーでたたきます。これで、ドリルの先端がずれずに済みます。 

ダボ継ぎの位置決めポンチ

いよいよ穴開け。重要なのは、まっすぐに想定した深さまで穴をあけること。そこで使用するのが、ドリルガイドキットです。ドリル刃を垂直に維持してまっすぐに穴開けできます。

 

深さに関しては、ドリルストッパーで制御しようと思いましたが、これは失敗。ドリルガイドにあたってしまうため使用不可。ドリルガイドを固定するネジ用に用意していた六角レンチもこれで使わなくなります。

 

極アナログですが、ドリルストッパーは諦めて、マスキングテープで深さの目安としました。板厚を考慮して貫通しないよう注意です。

ダボは8x30を使用したため、半分程度が入り込むイメージで設定しています。

ダボ継ぎのドリル深さ設定

板面側に穴があいたら(写真撮影忘れました)ダボマーカーを差し込みます。

ダボマーカー使用場面_1

ダボ継ぎしたい板の木口を、ダボマーカーの上にあてがい、上から体重をかけるか、当て木をしてハンマーで叩きます。

 

ダボマーカー使用場面_1

すると、木口にダボマーカーの跡が付きます。ここが木口部分の穴あけ箇所になります。先ほど同様に、センターポンチでポンチを打ってから、ドリルガイドを使用して垂直に穴あけをしていきます。

 

 

木口側は貫通する心配がないので、やや深めに穴をあけておきます。ダボが入りきらないと継いだ際に、浮きの原因になります。思ってるよりも深めが良いと思います。

ドリルガイドを使用している場面

これで、下準備は完了です。

ダボに接着剤を塗布して打ち込んでいきます。はまるかどうか心配な方は、接着剤塗布前に仮留め確認もできます。接着剤が付いていなければ、はずせるのでご心配なく。ダボが抜けなくなったらペンチなどで引っこ抜けば大丈夫です。

ダボに接着剤を塗布しているところ

木工用ボンドは、プロも御用達のタイトボンドを使用しました。雰囲気だけでも家具職人の気分です。

他社の木工用ボンドよりも、やや乾燥が早いように感じます。手早く作業を進めなければなりません。ボーっとしていると透明に硬化しはじめます。

 

穴にダボを全て打込んだら、木口とダボの先端に接着剤塗っていきます。

→失敗と反省…ダボは先に板表面側に差し込む方が良いと思います。木口側は穴を深く掘っているので、ダボが沈み込みすぎます。

木口側のダボに接着剤を塗布しているところ

ダボ継ぎをする板に差し込んでいきます。

軽くあてがって穴位置があっていることが確認できたら、上部から力を加え、接合部に隙間ができないように圧力をかけていきます。

 

体重の負荷でも入りにくい場合は、当て木をあたて、ハンマーなどでトントンすれば隙間はうまるはずです。

ダボ同士を接合している場面

全て挿し込んだら、接着剤が硬化するまで、重りを掛けて放置します。小さなものであれば、クランプではさんでおけば大丈夫です。

 

うちの会社は、ねじ屋なので、重いものには不自由しません。その辺にあった重量物を乗せておきます。

もし、この時点で接着剤がはみだしているようであれば、濡らした布などで良くふき取っておいてください。

接着剤が残っていると塗装がのらなくなります。

ダボ接着のため荷重をかけている場面

完全に硬化したら、ダボ継ぎは完了です。少ないダボで、ダボ継ぎをしたのですが、かなり頑丈に固定できました。実用に問題無い強度だと思います。

 

このフレームを塗装して、12mm厚の板が引き戸になるレールで引き戸を付けて、短めな脚金具を取り付けると、こんな感じにできあがります。

 

まあまあ、想定の出来上がりです。ちなみに、塗装は和信ペイントさんのポアーステインで着色して、水性のウレタンニスで仕上げました。

ダボ継ぎで完成したキッチンラック

という事で、今回は、ダボ継ぎに挑戦してみました。ポイントは、まっすぐにドリル穴をあけることと、ダボマーカーでピッタリの位置にマーキングすることにつきます。

 

特に、ダボ位置のずれは、完成時のずれにつながります。ビスなら、修正はできますが、ダボ位置をずらすのは難しいです。

 

完成度を上げたければ、ダボ穴をあける作業だけは、最低限の緊張感をもって作業をしましょう。

ダボ継ぎって、少しめんどくさいけど、めちゃ楽しいです。

ぜひ、トライしてみてください。

\ この記事を書いた人 /

じますけ

このサイトの管理者兼、商品を作る人。自らもDIYerであるため、できる限り『誰もが使いやすい商品を!』と思っているが、作る商品は自分の趣味に走りがちな傾向にある。センスはともかく、商品に対する、こだわりだけは、人一倍のひと。