・合わないビス(ネジ)使ってない?金具とビスとの相性を考える。

このところ、インスタなどにアップされているDIY家具に関して思う事がありましたので記事にしてみました。

それは、金具に対して、適正なビスが使われていない!!!という事です。DIY_IDの金具を使用してもらっている方も多々見かけ、非常にありがたい限りですが、あと少しだけこだわってもらえると、もっと良いもの作れると思うんです。筆者は、一応ねじ屋の端くれなんで、ねじ屋の独り言程度と思って読んでみてください。



金具の穴を注意深く見てみてください。

 これからDIYで家具や雑貨を作る!ってなって構想を色々と巡らせます。

どんなものを作るか決まった→木材のサイズ決まった→使う金具決まった→ここでビスを考えて欲しいのです。

金具が決まった時点で、その金具の穴を、ちょっと見てください。

大体、こんな穴のパターンになるかと思います。

 

普通のストレート穴

さら(皿座彫り)穴


 

使おうと思っている金具の穴、どっちですか?この穴の形状で、使用するビスが違うのです。

ストレート穴はごく普通の穴ですが、皿穴の方は、金具を取り付けた時にビスが金具と面一になるようにわざわざ、掘り込みを施してあるんです。ここでちょっと、ビスの頭部形状を考えてみましょう。

 

色々なビス(ネジ)の頭部形状を考える。

 ビスの頭部形状と言われて、思い出すものって有りますか?筆者はネジ屋なので、鍋・皿・トラス・丸・丸皿・ラッパ・チーズ・バインド・六角フランジなどなど色々を挙げられますが、ホームセンターに置いてあるのはこのうちの、鍋頭・皿頭・トラス頭がメインかと思います。

この違い、考えたことありますか?金具を留めるという事を考えると、2グループに分けることができます。

  

第1グループ 鍋頭・トラス頭

第2グループ 皿頭


第1グループは、基本的にストレート穴用・第2グループは皿穴用となります。このグループ分けで長さの表し方も違います。ビスは、相手部材に入り込む長さが表記されていますので第1グループは首下、第2グループは全長となるのです。

 

という事で、金具との相性のはなし

 簡単に言うと、皿穴が開いている金具には皿頭のビスを使用しましょう!という事を言いたいだけなんです。このところ、ストレート穴の金具にコーススレッドが使われたり、皿頭が使われているのも良く見かけます。特にソーホースブラケットなんかが多いかなと思います。

ストレート穴に皿頭のビスを使用
ストレート穴に皿頭のビスを使用
ソーホースブラケットにコーススレッドを使用
ソーホースブラケットにコーススレッドを使用

適材適所のビスを使用しないと、見た目に美しくないのはもちろん、固定力も弱くなってしまいます。

であれば、皿穴を全部の金具にあけとけばいいじゃんという事になりますが、いろいろな事情で出来ない金具もあるのです。例えば、板厚が薄すぎて皿がほれない、コストがかかりすぎる、大人の事情などなど。

 

皿ビスの頭部は、基本的に45°(両角で言うと90°)の角度になっています。ですので金具もこれに合わせる形となります。

 金具が薄くて、無理めに皿を掘る場合はもう少し角度を付けたりしますが、薄すぎるとそれもできません。

また、皿穴だとセンタリング作用が発生してしまい、ビスを打った中心の位置に金具の穴が寄っていってしまう作用が働きます。

 

・皿ビスのセンタリング作用

皿穴の中心からずれた位置にビスを打ってしまった。

修正しないでそのまま打ち込んでしまう。

金具にビスの頭部が着座。皿穴のテーパーに接する。

ビスの中心に向かって金具がずれる。


 

 ですので、微妙な位置調整などはストレート穴の方がしやすくなります。

それぞれ、金具の穴も使用用途や使い勝手などの意図があって設定されています。それを汲んで使用してもらえればもっといいかなと思います。できれば、金具の固定には金具固定用ビスがおすすめです。

 

個人的には・・・【すっごく速い金具用三条ビス】を使用してもらいたいところですが蛇足でした。

 

以上、金具の穴とビスの相性のお話でした。

 

よろしかったら、こちらの記事もどうぞ!