ネジのプラスとマイナスの違い・使い分け

マイナスねじの存在意義_アイキャッチ

ネジを回すためのドライバーは異なる太さのものが何本かセットになったものが大抵どの家庭にもあるでしょう。 【そういえばマイナスドライバーって買ってから一度も使ってないけど、いつ使うんだろう?】  

知らなくても別に困る事はないけれど、この謎を調べてみました!!! 

プラスネジ・マイナスネジは見た目をそのまま呼称にした日本独自の名前です。

正式には、マイナスはフラット、プラスはフィリップスと言います。

その他に、マイナスではすり割りとか、プラスなら十字穴とか色々な呼び方もあります。

使い分けのポイントは「汚れやすさ」??

 ネジを回すためのドライバーは異なる太さのものが何本かセットになったものが大抵どの家庭にもあるでしょう。その中でマイナスドライバーの出番が極端に少ない事にお気付きでしょうか?

そう、実は一般的に使用されているネジのほとんどがプラスネジで、マイナスネジはごく一部の場所にしか使われていません。

プラスネジとマイナスネジの差は「ネジを使う場所の汚れやすさ」で使いわけられているんです。

例えば一般家庭。お風呂場などの水回り、庭に置かれた屋外灯などにマイナスネジを発見できます。

では街中では??

たとえば電車の乗客が出入りするドアの足元部分だけはマイナスネジが使用されています。

確かにプラスネジは「強く締めこむ」というネジ本来の役割で考えるとベストな形ですが、溝に汚れがつまったり、それが原因でさびつくとドライバーが入らなくなり二度と抜けない「やっかいなネジ」になってしまうのです。

その為、泥や水垢などの汚れが最初から想定される場所ではマイナスネジが使用されてるんですね。

 また構造上、メンテナンスしやすいようにミシンはマイナスネジがあえて使用されています。 

十字穴は汚れが取れない

プラスネジの歴史・・・ホンダの創設者が日本に持ち込んだ

実は歴史的にはマイナスネジの方が古く、プラスネジは後から発明されたそうです。

もともと、マイナスネジは切込みの溝を削る事で作るのに対し、プラスネジは金型を強い力で押し付けて十字の穴を成形しています。

削って作る方が簡単だし、大がかりな機械も不要なのでマイナスねじが主流だったのです。

マイナスネジの作り方
マイナスネジの作り方
プラスネジの作り方
プラスネジの作り方

日本におけるネジの始まりは戦国時代にまでさかのぼるそうです。大昔の事です。

そこから、プラスネジが誕生するまで、結構な時間がかかります。

もともと、プラスネジが誕生したのは1935年ごろの米国です。自動車メーカーで広く使われるようになった事から世界中に普及していったそうですが、このプラスネジを日本に初めて持ち込んだのはあのホンダの創設者である、本田宗一郎氏と言われています。

1952年に行った米国視察の際に「これからはプラスネジの時代がくる」と予見した本田氏の読みから70年弱。

プラスネジの導入によりそれまで手作業だったネジ回しが機械化され、かなりの作業効率アップになっています。

今や使われているネジの9割以上がプラスネジなんです。

マイナスネジが独自の生き残りを見せる中で、プラスネジはさらなる進化を遂げています。

まとめ

今回は、地味だけど奥が深い、マイナスネジとプラスネジの違いを調べてみました。

マイナスネジの方が先輩なのに、今や後輩のプラスネジの方が主流となっていますが・・・

しかしマイナスネジにはマイナスネジ特有の利点があるのでこれからもひっそりと活躍していくことでしょう。

奥深いネジの世界・・・

工具箱のなかで眠りがちなマイナスドライバーには深い歴史がありました。

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ひろ☆
㈱大里のカスタマーセンター所属。大里的には中の人。日頃は、伝票作成などの静かな作業をしているが、うちに秘めた、やんちゃさが、見え隠れする人。