ステンレスの種類によって、向いている加工処理も変わるんです。
前回はステンレスの名前の由来、
種類がたくさんあることをお伝えしました。
今回は特にねじ類で使われるステンレスをピックアップしてご紹介します♪
で、まず、おさらいです。
ステンレスには家系図のように系統が分かれているのは前回、図で書きました。
その家系図の分岐点のはじめにあるのが下記の種類です。
①マルテンサイト系
②フェライト系
③オーステナイト系 他にもありますが。
これがスンテレスの御三家みたいなものです。
それぞれの家系で特長がありますので
その家系の中でも代表する種類のもので説明します。
①SUS410(サスよんいちまる)
鉄に 13%のクロム が入った
マルテンサイト系ステンレスの代表格です。
最大の特徴は焼き入れと呼ばれる熱処理が可能なこと!
熱を加える事で固く強くなる性質をもっています。
固くて丈夫なためドリルねじやタッピングネジ用に使用されることが多いです。
弱点は耐食性が低く、さびやすく、磁性(磁石にくっつく力)があるところです。
②SUS430(サスよんさんまる)
フェライト系ステンレスの代表は
クロムを18%含んでいるSUS430です。
別名鍛造鋼とも呼ばれ、建築の内装用ビスや水周りにも使える優等生です。
溶接性が高く、加工がしやすいのも特徴のひとつです。
③SUS304(サスさんまるよん)
ステンレスと言ったらこれ!
オーステナイト系ステンレスと呼ばれ
18%のクロムと8%のニッケルを含んでいます。
実はニッケルを含むと、磁性が消えるんですよ~~不思議ですね。
耐食性も高く、溶接もできるので
家庭用工業用問わずオールマイティに活躍しています。
通常の加工では磁性は発生しないものの冷間加工によって微磁性が発生します。
磁性がほぼないので
先端に磁石のついたビットでもくっつかないので使いにくいです。
④SUSXM7(サスエックスエムセブン)
SUS304は加工による硬化が起こりやすく
それを解消するために作られたのがSUSXM7です。
なんだか強そうな名前ですね~('Д')
銅を加えることで冷間加工性を上げ
304の欠点である硬化による割れや欠けを減らすことができます。
つまり、形状を作りやすいという事です。
加工性が高いので小ねじや六角穴の開いたネジに用いられてます。
ステンレスの分類とか難しくてよくわかんないし
100種類以上もあるなんて、どれがどどれだか~~~!
と混乱してしまったあなたの為に、
わかりやすく?解説してみました。
ねじの分野では、これでなければ作れないといったものもあります。
例えば、
コーススレッド・ドリルビス・デッキ用ビスなど硬くなきゃいけないビス類
これは、ほとんどがSUS410ですね。一部例外もありです。
で、こねじとか、ボルトとか、そんな硬くなくても良いねじは、
ほとんどが、Xm7で一部がSUS304を使用しています。
ステンレスも、
個性的な面々がそろってましたね~(*'ω'*)
是非ステンレス選ぶ機会があったら参考になさってくださいね。
こんな記事を書いていると、
弊社の社員が、会議資料に
【オーステイト系のステンレスが値上がり傾向に~】
と書きたかったところ、ミス変換で・・・
【おー捨てない時計のステンレスが値上がり傾向に~】
と神変換してしまっていた事を思い出します。
・・・余談でした(笑)